前回は法律で決まっているにもかかわらず、仲介業者は建物状況調査について説明をしないという話を書きました。

建物状況調査とは、既存（中古）住宅・マンションの売買に当たって、建物の構造上重要な部分と雨水の浸入に関わる部分を断し報告するものです。

既存住宅を購入した後に発見される雨漏れや傾きなどの被害に備える効果があります。

仲介業者としては、せっかく買主が購入する意思を示しているのに、建物状況調査をして不具合が見つかると契約が飛んでしまうと考え、積極的に説明しないのです。

この建物状況調査ですが、資格がある検査事業者（弊社住宅相談センターもそうです）に依頼するのですが、費用が数万円から１０万円程度かかります。（物件の床面積や立地によります）

検査事業者は検査規定で決められた範囲を検査するのですが、住宅の検査には、ほかにも種類があります。

建物状況調査が一番調査範囲が狭くなっています。

つぎに「既存住宅売買瑕疵保険の現場検査」というのがあります。中古住宅の売買にあたって保険を掛けるためにする調査です。

調査範囲は建物状況調査とほぼ同じですが、検査に適合すると瑕疵保険が付き、新築住宅並みの各種減税が利用できるメリットがあります。（建物状況調査にはこのメリットはありません）

つぎに「ホームインスペクション」という通常「住宅診断」と呼んでいる検査があります。

これは弊社などの民間企業が行っているもので、検査範囲はその検査会社によって異なりますが、前の２つと比較すると、はるかに広範囲を、また検査機器などを使って検査します。住宅一棟まるまる検査すると思ってください。

以上ように住宅の検査と言っても大きく３種類あります。

弊社はすべてを行っていますが、お勧めするのはやはり「ホームインスペクション」ですね。せっかく住宅・マンションを購入するのなら、より広い範囲を検査して、安心して契約する方が良いと考えます。

いずれにしても、既存（中古）住宅・マンションを購入するのなら、何かしらの検査をすることをお勧めしますし、仲介業者さんはほぼ説明してくれないので、ご自身で依頼するしかありません。