久しぶりにある老舗工務店の社長にお会いしました。過去に弊社で何軒か建築中のインスペクション(住宅診断)をしたことがある工務店です。
話は断熱材のことに。
私:最近はどのような断熱材を使っていますか?
社長:吹付ウレタンを使っています。
私:以前はグラスウ-ルでしたよね?
社長:そうでしたが、グラスウールはどうしても経年で下がって来てしまうので止めました。
この工務店の断熱材検査をしたことがありますが、新築工事中にすでにグラスウールが下がっていた現場を見たことがあります。その現場は全体的に下がっていて、天井に近いところは見事にすべて隙間になっていました。
おそらく職人さんが正しい施工方法をご存じなく、そのようにしたと考えられます。でなければ、それほど見事に隙間ができるはずがありません。
したがって社長がおっしゃる「経年で」垂れ下がったのではなく、最初から下がっていたのを入居後に発見されたというのが正解ではないかと思いますが、真相はわかりません。
グラスウールは安価でだれでも施工できるので、最も利用されている断熱材ですが、きちんと施工しないと自重で垂れ下がってしまい、隙間ができてしまう欠点があります。
過去に弊社でインスぺクションしたグラウスールの現場で、完璧に施工していたのは2軒しかありません。それほどきちんとした施工が難しいのがグラスウールです。
グラスウールを止めて吹付ウレタンに替えた社長の判断を尊重したいと思います。