私は不動産会社に就職して不動産の勉強をした後に、ハウスメーカーに転職して建築の勉強をさせていただきました。両方を勉強できたので大変恵まれました。その経験を前提として、以下のお話をご紹介します。
土地を購入するために弊社のサポート業務をご利用いただいているお客様から、良い土地が見つかったということで、不動産会社から渡された重要事項説明書と売買契約書を持参され、問題がないか確認してほしいと依頼を受けました。
土地の売主は「日本を代表する大手ハウスメーカー」のグループ会社の不動産会社です。社名にも大手ハウスメーカーの商号が入っているので、誰が見ても「日本を代表する不動産会社」だと思える不動産業者でしょう。
しかし書類を拝見したところ、大変初歩的で重大な間違いを発見。
具体的には・・・
この土地は現在造成工事中で完成した形で引き渡す土地でした。この場合、重要事項説明書では「未完成物件」と表示し、完成時の状態を図面等で明示する必要があります。
仮にこれをしないと、完成時にどのような状態になっているかわからない土地を購入することになり、一般の買主には不利になることが考えられるために設けられた説明項目です。
また未完成物件の場合、売主が宅建業者であるときは、契約時の手付金の額は売買価格の5%以内と制限されており、それ以上の額を受け取るときは「手付金の保全措置」をしなければならないことになっています。
今回はこの部分が「完成物件」と表記されており、完成時の図面も付いていませんでした。かなり初歩的なミスですが重大な点です。さっそく修正していただきました。
「日本を代表する大手ハウスメーカーの商号が入っている」ので「日本を代表する不動産会社」だと思って安心していても、このような初歩的なミスが出ます。
実は大手ハウスメーカーといえども、基本はハウスメーカーであって不動産業者ではありません。建築業者です。
もちろんきちんと不動産の免許を取得して営業していますが、だからと言って100%不動産に精通している訳ではありません。この点注意が必要です。
逆に不動産業者は建築にはそれほど詳しくありません。
例えば昨日お会いした不動産業者さんは、建築基準法の建築面積を延床面積と間違えていました。これも初歩的なところです。
私が不動産業からハウスメーカーに転職したとき、つくづく建築のことを知らなかったなと反省しましたし、逆にハウスメーカーの人は、不動産の担当者といえども不動産取引のことを知らないなと驚いたものです。
ということで本日のお話は、不動産業と建築業は密接な関係にあるにもかかわらず、実はその間には大きな溝があり、両方に精通している人は意外に少ないという話です。
大手ハウスメーカーのグループ会社と言えども、不動産取引ではちゃんとチェックする必要があるということをお伝えしたいと思います。
