住宅ローン選びについていろいろ書いてきましたが、不動産業者やハウスメーカーが探してくれるのに、相談料を払ってまでFPにローンの相談をする意味があるのだろうかと思われる方も多いと思います。
そこで具体的な事例を説明するのが手っ取り早いと思いますので、ちょうど今週金融機関の条件が出そろったお客様の事例をご紹介します。
土地購入費+住宅建築費のうち総額6000万円の住宅ローンを、変動金利型・35年返済で夫婦ふたりで借り入れる場合(実はもう少し他の要件があるのですが、それは除いて比較してみます)
不動産会社推奨のA信用金庫(連帯債務)
・金利 0.675%
・保証料なし
・事務手数料 33,000円
ご自身で探されたB銀行(連帯保証)
・金利 0.475%
・保証料 約102万円
・事務手数料 132,000円
弊社推奨のC銀行(連帯債務)
・金利 0.425%
・保証料 約124万円
・事務手数料 55,000円
さてどれが一番有利でしょうか?
一概には言えませんが、ここは35年間しっかり返済したとして総支払額を比較してみましょう。総支払額とは、総返済額+事務手数料+保証料です。
A信用金庫 約6,742万円
B銀行 約6,630万円
C銀行 約6,589万円
ということで弊社推奨のC銀行がベストローンということになりました。
ただしこのお客様が将来繰り上げ返済して、35年返済を25年で完済するなどという条件が出てくると別の結果が出ます。
そのあたりを確認するために、弊社では住宅ローンを借りた後の家計をシミュレーションするキャッシュフロー表を作成しており、繰り上げ返済がどの程度できるかも確認しています。
そのような作業をするので、住宅ローン選びでは少し時間をいただきたいということです。
※読者の中には、ネット銀行ならもっと金利が低いところがあると言われる方もあると思いますが、その場合は事務手数料が132万円で保証料なしとなります。
保証料は繰り上げ返済すれば戻ってきますが、事務手数料は一切戻ってきません。また中間金の支払いがないので、つなぎ融資を利用することになります。
したがって今回はネット銀行を利用しませんでした。