内装材選びでは「見切り」に注意しましょうという話を書いたところ、もう少し分かり易く書いてほしいという意見をいただきましたので、例を挙げてご説明します。
「見切り」という用語は、今やスーパーのセールで「見切り売り!」と表現され値引きのセースルトークとして使われる程度でしょうから分かりにくいのも無理もありません。
私がハウスメーカーに勤務していたとき、同僚の営業マンがお客様のリクエストで1階の床材と2階の床材を変えて貼るようにしたことがありました。
ところが完成してみると、確かにリクエスト通りになっているのですが、例えば階段は1階の床材の色で2階まで貼るのですが、階段を上がり切った2階ホールの床材は2階の指定色になっているわけです。また階段脇の巾木も1階の床材の色に合わせて2階まで貼ってあるのですが、2階ホールの巾木は当然2階の指定色になっている訳で、それが出会うところは色が違いになってしまい、見た目はセンスのない状態となりました。
2つの異なる素材、異なる色が出会う箇所を見切り部分と言いますが、ここに見り専用の部材を入れるのか、あるいはそのままにしておくのか?
このケースの場合、見た目はどうしようもありませんでした。
もう一つ、リビングの床材をフローリングにした場合、キッチンまでフローリングを貼る方法もありますが、水が垂れて床が汚れるのでキッチン回りだけクッションシートなどにすることも多いと思います。
その場合、グローリングとクッションシートの出会う箇所はどうするのでしょうか?多くの場合、見切り専用部材を入れると思いますが、この部材選びを間違うと妙な仕上がりになることがあります。
ということでご理解いただけたでしょうか?
異なる部材が出会う箇所の見切りにも注意しないと、仕上がりがセンスがないことになります。これは住宅だけでなく、飲食店や美容室・オフィスなどの内装でも気になることが多いです。