インテリアコーディネーターの立場を理解していただけたかと思いますので、いよいよインテリアの打ち合わせで気を付けたい点を紹介したいと思います。
インテリアの打ち合わせは、内装材・住設(キッチンや浴槽などの住宅設備のこと)・家具・窓掛け(カーテン・ドレープなど)・照明など住宅の室内に関する幅広い分野の打ち合わせが必要になります。
場合によってはアウトリビングと言って、室外ではあるけれども室内の延長線上に位置する部分も検討することもあります。
できることなら、これらすべてを一定の基準でコーディネートすると良いと言われています。
ただインテリアもあくまで施主さんの考えでコーディネートされるものですから、施主さんがどのような基準を持っているか、それを中心に組み立てる必要があると思います。
極端な話、別に美しくコーディネートされていなくても構わないという施主さんなら、それはそのように組み立てることになります。
つまりコーディネーターはインテリアの専門家ではありますが、アーチストではないので、あくまで施主さんの考えを聞き出すところから始める必要があるということです。
この点は建築家と同じです。「建築家」の先生は施主の家を設計するのではなく、自分の「作品」を設計することに一生懸命になりがちで、しばしば施主をがっかりさせます。
これと同じ過ちを犯さないようにするには、施主さん自身がインテリアに関する基準をしっかり持っておき、それを明確に打ち合わせ時に伝えることが大切です。
最近は「インテリアにはこだわらない。」とか「インテリアのことはわからない。」という施主さんも増えていますが、それはそれで結構です。それを伝えていただければ、それなりの提案があると思います。
一番困るのは、プレゼンが出てくるたびに基準が変わることです。「これもいいけど、こちもいいね。」と言って無秩序に採用すると、最初にお話ししたようにインテリア打ち合わせの範囲が広いだけに、完成時には考えていたのと違うということになります。ご注意を。