昨日は土地購入時には、産業廃棄物などの地中埋設物に注意しましょうという話を書きました。
産廃が埋まっていることは稀だと思いますが、もう一つ注意すべき埋設物があります。それは杭です。
現在は建物を新築する際には地盤調査を行い、その結果に応じて地盤補強工事を行うことが一般的です。
地盤補強工事には柱状改良・地盤改良・鋼管杭の3つの工法が使われています。
将来この土地を売りに出す場合、一般的な土地取引では、建物を解体して更地で引き渡すとしていますが、表面上建物が見えなくなっていれば更地とみなして、その状態で引き渡すことが多いと思います。
しかし建物を解体しても、地盤補強工事を行った部分は地中に残ったままになります。
地盤改良であれば建物があった部分全体を地盤化しているので、次に新築する建物をその範囲に建てれば、引き続き利用することも可能な場合もあります。
しかし柱状改良や鋼管杭の場合は、その上に全く同じように建物を乗せることは不可能ですし、新築する建物の種類・工法・重量によって再利用することができません。
つまり全く無用な工作物=産廃と同じものだと考えることになるので、建物解体時に撤去してもらわないといけません。
したがって売買契約書には「解体更地渡しとする。」という一文だけでは不十分で、「杭や柱状改良などの地中埋設物を撤去して引き渡すものとする。」と入れておかなければなりません。
これを怠ると杭が残ったまま引き渡され、思わぬ撤去費を負担することになる可能性があります。
まさに土地取引で悔いを残さないために、杭を残さないよう契約内容に注意しましょう。
ちなみに杭の撤去費用は、杭の深さ等によってマチマチですが、どんでもない金額が必要になると考えておいた方が良いと思います。