既存(中古)住宅のホームインスペクション(住宅診断)をしていますが、新築時には立派な住宅だっただろうと思われる住宅が、立派なまま維持されている住宅もあれば、劣化した状態になっている住宅もあります。
その分かれ目は入居後のメンテナンスがされていたかどうかと、新築当時の設計が良かったかどうかによると思います。
このうちときどき木造住宅の一部に補強のために鉄骨を使っているいわゆる混構造の住宅を見かけることがあります。
当時の設計としては補強のために良かれと思って採用したと思われますが、経年すると好ましくない状態になっていることが多いような気がします。
そもそも木と鉄は熱に対する伸縮度合いも違うし、しなり具合も違います。同じ環境に置かれれば当然違う反応を示すので、両者が接している箇所に無理が生じるのは当然と言えば当然でしょう。
特に断熱性の面で見ると鉄骨部分に結露が生じ、そこに貯まった水分が木部に伝って腐食させたのではないかと推測できるケースもあります。
また鉄骨造の住宅を増築する際に木造を採用した場合は、その連結部から雨漏れしているケースを多く見かけます。
混構造は良い点もるとは思いますが、多くの既存住宅で好ましくない事象を見るので、できることなら避けた方が良いと思います。