時節柄、空気が乾燥しており、鍋料理の季節でもあり、火を使うことが多いせいか火事のニュースが連日のように伝えられます。
仕事上どうしても住宅の火事のニュースになると見入ってしまいます。
見ると、やはり全焼しているのは木造・鉄骨造にかかわらず古い住宅で、比較的新しい住宅は建物内で鎮火して延焼していなかったり、1室だけ燃えて鎮火しているように見えます。つまり最近建っているような住宅は全焼し難いということです。
ただ油断は禁物です。
ハウスメーカーの見学会などに行くと、バーナーで外壁を熱して「燃えないでしょ。」とか「熱くなっていませんね。」という実験をしていますが、あれ自体に問題ありません。
しかし実際に被災した現場を見たり、ハウスメーカーの人から聞くところによると、火が外壁を通過して燃えているケースはほとんどありません。それだけ今の住宅は耐火性が高いということです。
しかしそれなのになぜ火事になったのか?火には外壁以外にも通り抜ける道があるのです。
・エアコンのスリーブ穴
・軒天のケイ酸カルシウム板(この部材の耐火実験を見せているハウスメーカーはないと思います)
・軒天と外壁のわずかな隙間
・窓ガラスが割れて
などが通り道となって火が室内に、あるいは外部に燃え移ったと聞きました。
つまり外壁に耐火性があたっとしても、それ以外の隙間が延焼の原因になるということです。
この部分は大手ハウスメーカーの家でも地元工務店の家でも変わりはありません。ということは、いまのところ技術的に解消できない部分だということです。
2019年の消防白書によると火災の原因は
1.たばこ
2.たき火
3.コンロ
4.放火
5.放火の疑い
となっており、たばこ以外はどなたでも被災する可能性があるということです。
耐火性に優れた外壁だと安心しないで、火の取り扱いにご注意ください。