新築中の住宅の第三者検査をしています。弊社住宅相談センターの場合、建築中５回の検査を標準にしていますが、そのうちの３回目が断熱材検査になります。

断熱材検査では、目視による検査と赤外線サーモグラフィによる検査を実施します。目視では防湿シートの破れや、本来断熱材を入れるべきところに入れてないなどの施工漏れを見ます。

サーモグラフィでは、断熱材の隙間を熱反応を感知することで発見します。

現在の住宅の断熱材の多くは、コストや施工のし易さを考慮してグラスウールやロックウールを使用していますが、残念ながら施工方法が徹底していないのか、規定通りに施工されている現場はほとんどありません。

こんなことを書くと「そんな大袈裟な」と思われるかも知れませんが、１０００棟近い現場で断熱材検査をしてきた立場から言うと、まったく大袈裟ではありません。

事実今まで拝見したグラスウールの現場で、素晴らしい施工状態だと言えたのは１軒しかありません。あとはどの現場も相当数の是正をお願いせざるを得ない状況です。

その点、現場吹き付けの断熱材、製品名を出せばアクアフォームとかアイシネンになりますが、これらは是正の指摘が出たとしても数か所。それも容易に是正できる箇所がほとんどなので、その場で是正してくれることも多いのです。

現場吹き付けの多くは、建物の施工業者が施工するのではなく、断熱材メーカーの指定業者が行うので、施工に精通しており専門性が高いので大きなミスは少ないのです。

「本日の断熱材検査の現場は吹き付けか」と思うと、とりあえず安心できます。グラスウール、ロックウ－ルかと思うと、一体何時間かかるのだろうと憂鬱になるのです。それほど違います。

もちろん吹き付け断熱にも欠点はあると思いますが、少なくとも工事が終わった段階の断熱性能という点から言えば、これに勝るものはないと思います。

ということは、グラスウール、ロックウールの現場は、よほど注意しておかないと施主さんが想定していた断熱性能は出ていないと考えてよいということです。

断熱性にこだわった住宅を建てようという方は、ご注意ください。

またこだわらない方も、多くの場合所定の断熱性能は出ていないと考えて頂いた方が良いと思います。