住宅新築中の施工ミスか見解の相違か

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住宅新築中の施工ミスか見解の相違か

「最近住宅の新築現場は施工能力が落ちているのではないか。」という話を書いています。

ここまで基礎配筋工事で見つけたミスについて、マニアックなものと一般の方にもわかるものをご紹介しました。

本日もマニアックな点ですが、基礎の強度に関わることで、しかも最近本当に多い指摘箇所なので書いておきたいと思います。

基礎の鉄筋が3本以上重なっている箇所を「多重結束」と言って、是正するべき箇所とされています。

基礎は鉄筋という引っ張る力に強い部材とコンクリートという縮む力が強い部材によってバランスが保たれています。

また鉄筋は酸に弱いのですが、これをアルカリ性のコンクリートが覆うことで品質が保たれます。

これが多重結束の部分は鉄筋が多数重なるために、鉄筋と鉄筋の間にコンクリートが十分入らなくなって、上記の品質が確保できなくなります。この理屈はおわかりいただけると思います。

ところが現場は無数の鉄筋が交差しており、施工上どうしても3本以上の鉄筋が重なってしまう箇所が出るのです。職人さんにすると「これ以上どうしようもないよ!」とお手上げ状態です。中には6本も重なっていることもあり、こうなると基礎の強度が心配になります。

ただ先日拝見した現場では、3本以上の多重結束が4ヵ所しかない素晴らしい施工でした。その4ヵ所もその場で直すことで解消できました。やればできるのです。

大手ハウスメーカーの施工マニュアルでは、多重結束は3本までなら問題なしとしているところもありますが、学者先生の中には2本までしかダメという考えもあります。

いすれにしても多重結束が問題だと理解していない現場監督さんもいますし、そもその現場を監理するべき建築士さんが、現場を見ていないので、なかなか解消できそうもない問題なのです。

基礎部分は地震が起きたり、何年も経過した後に問題が見えて来る部分なので、直ちに大きな問題にはなりません。入居できない程の問題にはなりませんが、将来差が出る部分です。ご注意ください。