家づくりで住宅展示場を有効に利用する方法について書いています。
前回⑪回では、展示場を訪問した際に営業マンから尋ねられることについてお話しました。
お客様からは「展示場って1棟回るのに、どの位の時間を見ておけばよいでしょうか?」というご質問をよくいただきますが、これには正解はありません。お客様次第です。
しかし一方のハウスメーカーの営業マンからすると、自社のモデル棟になるべく長く居てほしい。できることなら他社には行ってほしくない。聞きたいことは聞き出す時間がほしいと思うのが普通です。ご理解いただけますよね。
前回お話した営業マンが聞こうとする8項目を、しっかりヒアリングしようとすると、それなりの時間がかかります。私が勤務していたハウスメーカーでは1組2時間と言っていました。その程度費やさないと8項目を正確に聴き出すことはできません。
いかがでしょう?1棟のモデル棟に2時間滞在することを想像してみてください。「そんなにかからないよ。」と思われるかもしれません。
しかしハウスメーカー側は、多額の費用を投下している展示場に来場していただいたお客様ですから、1組たりとも無駄にはできません。
お客様のお考えは別として、しっかり2時間滞在できるようにいろいろな仕掛けを用意しています。
・絶妙なタイミングでお茶が出て来る。
・お子様が喜びそうなDVDを流す。
・腰かけやすい椅子とテーブルがある。
・興味を引きそうな資料が出て来る。
などなど、展示場には一見意味なく置いてあるようなものにも、長時間滞在を可能にする仕掛けがあるのです。
展示場内に2時間滞在するためには、こうした仕掛けを使って着座していただき落ち着いてお話を伺わなければなりません。
したがって営業マンは接客した客数に対して、何組を着座させたかという「着座率」を計算されます。着座率が低ければ成約数も低い。これは過去の実績が語る正しいデータです。
信用できると思える営業マンには2時間以上話をすることになりますので、その程度の時間を取るつもりで展示場に出かけてください。
そうなると1日で回れるのは2~3棟というところではないでしょうか。