ここのところ住宅・マンションを購入したいというご相談で、共働きのご夫婦の相談が増えています。日本全体でも女性の就業数が増えているわけですから当然ですね。
弊社住宅相談センターの場合、住宅購入相談の一番最初にお手伝いするのが、「いくらの予算で購入するか?」の計算をすることです。
住宅購入後に家計がどのようになっていくかをシミュレーションしますが、このとき使うのがキャッシュフロー表です。お金の出入りがどうなって、貯蓄がどう貯まるのか、老後資金まで用意できるのか、希望の生活ができるかなどをチェックします。
これによって諸費用を含めて総額いくらの予算なら購入できるのか?土地から購入する方なら、土地代をいくらにして建物代はいくらにするかも内訳まで決めることができます。
このシミュレーションで夫婦共働きのご家庭なら、当然のことながらご主人様と奥様両方の収入を含めてシミュレーションするので、購入できる額は高額になります。
東京ではご夫婦ともに相当額の収入があって、高額なマンションを購入する方をパワーカッップルと言うそうですが、弊社のある名古屋圏も同様の傾向にあります。
しかしご夫婦2人の収入を合わせて総額を決めるということは、裏を返せばリスクが倍になるということでもあります。
夫婦どちらかが、収入が減る、失業する、病気になる、死亡するなどのリスクが倍になります。
もちろんこれらのリスクに対して備える所得補償保険、失業補償保険、疾病特約保険、団体信用生命保険などの保険も販売されています。これらですべてのリスクを賄えるなら問題はないと思いますが、みなさん完璧に用意されているとは限りません。(シミュレーションでは、どの保険をどれほど用意したら良いかも計算できます。)
また夫婦の収入を考慮して購入する際の最大のリスク・・・離婚は保険ではカバーできません。
今から住宅・マンションを購入しようとお考えのご夫婦で、離婚リスクを考慮される方はありませんから、このリスクはその時になって初めて顕在化するリスクと言えるでしょう。
先日ご相談いただいたご主人様は「本来なら自分の収入だけで利用できる範囲の住宅ローンを借りて購入し、妻の収入は貯蓄に回したり趣味や娯楽に回すのが理想ですよね。」とおしゃっていましたが、まったくその通り。
しかし残念ながら、先進国の不動産市場は住宅ローンを利用することを前提として成り立っており、さらに追加で住宅ローンを利用できる人がいるなら、その人の分まで含めた価格設定にすることで成り立つようになっています。
お一人の予算では購入できない物件が増えているのです。
このあたりをどう判断するか?単に資金計画が成り立てば良いという話でもなさそうなので悩むのです。
ここまでお話をしておきますので、あとのご判断はご夫婦で出していただくしかありません。