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住宅のシックハウス症候群について

ここのところシックハウスに関する相談が続きました。

シックハウス症候群は一時住宅業界で大問題になりましたが、建材の脱ホルムアルデヒド化が進み(F☆マークで表示されるようになっており、4☆の建材が使われます。)、新築住宅には24時間換気扇の設置を義務化したことで、全国的にも相談件数は激減したとされています。

しかし被害がゼロになった訳ではありません。

ここでは北見工業大学の坂本弘志教授の文章を引用させていただいて、シックハウスに関する誤解を解きたいと思います。

1.F☆☆☆☆の建材を採用しているので、シックハウス症候群の発生は問題はない という誤解

F☆☆☆☆の建材はあくまでもホルムアルデヒドの対策に関するもので、トルエン、キシレン等の他のVOCには関係していません。

また現在の建築基準法で規制する化学物質は、ホルムアルデヒドとクロルピリホスの二つだけです。他のトルエンやキシレン、アセトアルデヒドなどは、人体への影響がホルムアルデヒドと同じであるとされているにも関わらず、未だに法律での規制はありません。

2.天然素材を用いているので、シックハウス症候群の発生は問題がないという誤解

天然素材を用いたと言っても、安心出来ません。アセトアルデヒドは、木材から発生することが知られています。トドマツやカラマツ等の針葉樹、広葉樹のヤチダモからの放散が認められています。

また最近国産建材用木材であるスギ材からの発散が確認されています。このように木材からアセトアルデヒドが発散されることから、天然素材を使用したからと言っても、必ずしも健康住宅であると言い切れません。

3.VOCを吸収・分解する建材を用いているのでシックハウス症候群の発生は問題がないという誤解

基本的にはホルムアルデヒドを吸収分解するもので、他のトルエン、アセトアルデヒド等の軽減は期待できません。そのために、VOCを吸収・分解させる建材を採用したとしても、極限定されたVOCのみ(主にホルムアルデヒド)に効果があるもので、他のVOCの軽減に効果がないことをしっかりと心に留め置なければなりません

対策1:シックハウスを防ぐ基本は室内換気である。

シックハウス新法に定められている室内の換気に関しては、換気回数0.5回/時間の能力を有する機械換気設備を設ける事が定められております。

しかしながら、換気設備の施工後において、換気回数0.5回/時間が確保されているかどうかの検証は、義務付けされていません。そのために、殆ど行われていません。実際には換気回数0.5回/時間が確保されていない場合が往々してあり、換気量不足が原因でシックハウス症候群を引き起こした事例も多々あります。

対策2:症状が比較的軽微な場合の対処方法としては、以下のものが考えられます。
(ア) 換気システムの換気量をMAXにして稼動させる。
(イ) べイクアウトを実施し、強制的にVOCの低減化を図る。
(ウ) VOCの吸着剤、分解剤、空気清浄機を用いてVOCを低減させる。

症状が比較的重度の場合の対処方法としては、以下のものが考えられます。
(ア) VOCの発生源を突き止めて、その部材を交換する。
(イ) 換気量が不足している場合には、換気設備を交換する。
(ウ) VOCを測定し、その値が十分に低下するまでは避難する。

以上大変わかりやすい解説ですので引用いたしました。

私はシックハウス症候群に敏感ではありませんが、最近イケアとともに家具・雑貨販売で好調な「お値段なり」のX社の店舗に入ると10分ほどで目がチカチカしてきます。外国で製造した家具や雑貨を販売しているので、もしかしたらVOCが発生しているのかもしれません。

住宅本体ではなく、そういう家具・雑貨を室内に置いただけでもシックハウス症候群になる可能性があります。

坂本教授の報告を十分ご理解いただいて、家づくりに反映していただきたいと思います。