ある企業の社員様向けに『なぜインターネットで良い土地が見つからないのか?本当に良い土地の探し方』という土地探しセミナーをやってきました。
今土地を探している方の多くはネットを使って探されていると思います。それが無駄だとは申しませんが、なかなか良い土地が出て来ないのが実情ではないかと思います。
なぜネットには良い土地情報が出て来ないのか?これには訳があります。その訳をご理解いただけるようにお話しするセミナーでしたが、このブログをお読みいただいている皆様にはポイントをお話ししておきたいと思います。
土地情報を握っているのは不動産業者さんですが、不動産業者はどのような仕事をしているかを理解するとその訳がわかります。
地主から土地の売却を依頼された不動産業者は、仮に自分のところで買主を見つけて成約すれば、両手商売と言って、売主から売買価格の3%+6万円、買主からも3%+6万円の仲介手数料を受け取ることができます。2000万円の土地なら、両方から合わせて132万円+税になります。
しかしすべての取引がそんなにうまく行く訳ではありません。
せっかく良い土地の売却依頼を受けても、自分のところに都合よくそれに合う買主がいることは少ないと思います。
このような場合、どうなるか?
不動産業者Aは知り合いの不動産業者Bに「こんな土地があるけど買主いない?」と相談を持ち掛けます。たまたまBに適切な買主がいて、両者間でめでたく契約になったとすると、Aは売主から3%+6万円、Bも買主から3%+6万円を手数料として受け取ることになります。
2000万円の土地の成約なら、AもBも66万円+税を受け取ります。これを片手商売と言います。
さてここで仮に皆さんが不動産業者だったとしたら、両手商売・片手商売どちらをしたいと思いますか?
聞くまでもありませんね。不動産業者も同じ気持ちです。
ということは、不動産業者にとって良い土地の情報がネットなどに掲載されると、世界中に情報が公開されるのがネットですから、一般の買主さんだけでなく同業の不動産業者にも知られるところとなり、片手商売になってしまう確率が格段に高くなってしまいます。
よって不動産業者としては、何とも売りにくい土地ならネットに掲載して早く売ろうとしますが、良い土地はなるべく自分で両手商売ができるように抱え込んでしまいたいという意識が働き、ネットなど広範囲に情報が流れる媒体はできるだけ使いたくないということになるのです。
ネットに良い情報が出ないのは、そのような業界の仕組みが原因になっていると思われます。
他にもネットに乗らない理由はありますが、最も重要な訳はこういうことなのです。