新築の建売住宅や分譲マンションを購入する際に、価格交渉をしたいという人も多いようで、どのようにして交渉したら良いかという相談を数多くいただきます。
まず新築の場合、建売住宅であれ分譲マンションであれ価格交渉はほとんでできないと思われます。
価格交渉ができるのは、販売不調でしばらく在庫になっている場合や、売主の事情によって急いで売却しなければならない場合などが考えられますが、こうした物件に遭遇することはそうはないと思います。
仮に交渉できそうな物件に遭遇した場合、どのように進めたら良いでしょうか?(ただし必ず価格が下がるということはありません)
1.まず自分が想定した価格になるのならば、必ず購入するという意思を固めること。
試しに交渉してみるかという程度では、売主も真剣に検討してくれません。そのためには文書で、こうこうこういう条件になるのであれば、いついつ契約しますと書いて提出する位でないといけません。
2.条件を小出しにしないこと。
売主の感触を確かめたくなるのはわかりますが、条件を後出しで小出しにして来る買主には、価格を下げてもまた後から条件が出てくるだろうと思われ、売主は真剣に向き合ってくれません。
購入するための自分の条件はすべて出すことです。
3.検討が必要になるような提案を出さない。
単に販売価格を下げてほしいということに対しては、比較的簡単に売主の回答が出ると思いますが、中には価格だけではなく、例えばカーテンを付けてほしいとか、洗面所をグレードの高いものに交換してほしいというような条件を出す人がいます。これは避けた方が良いと思います。
なぜなら売主としてその工事をしたら、いくら必要になるのか見積書を取り寄せたりしなくてはならず、それまで販売原価が確定しないからです。時間がかかる交渉をしているうちに、他の買主が現れて買ってしまうこともあります。
ただし売主としては価格を引くより工事や物でサービスした方がメリットがあります。例えば「値引きはできませんが、100万円相当の家具をサービスします。」などというセールスがあります。
買主としては100万円得したと思うかも知れませんが、売主としては100万円の家具の仕入れ原価は50万円程度でしょうから、実質的な値引き額はこちらの方が少なくて済むのです。
サービス工事や物を付ける交渉はできるだけ避けた方が良いと思います。
4.住宅ローンなどの他の条件はあらかじめ整備しておく
価格交渉するのは良いのですが、売主が合意して、さあ契約となったときに、住宅ローンを利用するので審査が出るのを待ってほしいと言ったのでは売主も困ります。
価格が折り合ったら、すぐに契約できるように他の条件は完備している状態にしておくことが必要です。住宅ローンは事前に承認を取っておく必要があります。
以上です。
不動産の契約条件の中で価格は最も重要な条件で、これを交渉したいと思う方は交渉するだけの力を持つことが大切だということです。
極端な話、弊社のお客様でいつも何百万円かの現金を持って歩いており、良い物件が出ると「それ買うよ。きょうこの場で現金を置いていくから、いくらにしてよ。」と交渉する方がいらっしゃいます。これなど典型的な交渉術だと言えます。
これと同じことをしてくださいと言うのではありません。ここから学ぶことはたくさんあるということです。