建築中の第三者検査を入れると完璧な住宅ができるか?

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建築中の第三者検査を入れると完璧な住宅ができるか?

日本の建築の仕組みは、建築士が描いた設計図に基づいて建築業者が工事し、それが図面通りになっているかを監理建築士がチェックすることで、完璧な建物ができるという想定です。

想定というのは、実際はそうなっていないということです。

監理建築士が現場に来て監理業務をしている姿を見ることは、ほとんどありません。(もちろんきちんとした建築士さんは来ていますが、居ないことの方が圧倒的に多いということです)

そこで弊社住宅相談センターのような第三者に依頼して、現場を見てもらおうということになります。

そうすれば確かに第三者的に見ることができるため、現場監督さんや職人さん、あるいは指定検査機関の検査員(これは法律で決められた検査員です)が見落とした箇所も見つけることができ、手直ししてもらうことでより良い住宅ができます。これは間違いないと思います。

しかし第三者検査が入ったら、必ず完璧な住宅ができるかと言われるとそうとは言い切れません。

例えば先日このような現場がありました。

基礎工事の配筋検査の段階で鉄筋の多重結束が見つかりました。多重結束とは、複数の鉄筋が重なっている箇所のことで、これがあるとコンクリートを流しても鉄筋と鉄筋の間にコンクリートが十分入らず、基礎の強度が落ちる原因になるのです。

弊社の場合3本以上重なっている場合は質問を出し、施工業者の社内規定を確認します。4本以上重なっている場合は、確実に直していただくようにお願いしています。

ところが基礎の鉄筋は何百本もあり、ところによってはカットする部分もあり、カットした回りは補強するため、補強筋を入れることになり、ますます鉄筋が複雑に入り組んで多重結束が現れることになります。

こうなると多重結束を避けた方が良いのか、補強筋を入れることを優先するのか、究極の選択が求められることになります。

弊社は補強筋を移動して多重結束を避けることを優先しますが、工事業者は社内規定により補強筋を移動することができないと言います。

業者も多重結束はよろしくないということは理解していますが、補強筋が異動する方がよりよろしくないという見解です。

ここまで来ると第三者検査の限界です。第三者検査には法的な拘束力がないので、手直しを「命令」することはできません。

業者とのやり取りを書面にして残し、将来何かあったときのために記録とすることしかできません。将来がいつになるか?10年後か20年後か?

ということで、第三者検査の現場ではこのような見解の相違ということもよくあります。

本来ならこの役目を監理建築士が果たすべきですが、止むをを得ず第三者がおこなっていますが、現場ではこのようなことが起こっているということをご理解いただいた上でご依頼いただければ幸いです。