アトランタの不動産市場の視察に行ってこられたホームインスペクター(住宅診断士)からお聞きした話です。
アメリカでは築100年の住宅も新築住宅と同じような価格で売買されています。それは所有者が一生懸命メンテナンスするためで、写真を見る限り築100年には見えず、30年位ですか?と聞いてしまうほどきれいな家でした。
見た目はそうでも、例えば床や壁の傾きなどは避けらないと思いますがどうでしょうか?
答えとしては、アメリカの住宅は木造がほとんどで、木である以上傾きが出るのは当たり前と考えているそうです。
日本ではホームインスペクション(住宅診断)で床や壁の傾きが6/1,000以上あると欠陥と判断されます。
もしそうであるなら、アメリカの住宅の多くは欠陥と言うことになります。写真を見ても傾きがわかるほどですから、これはもう日本では完全に欠陥住宅です。
家具などは傾きませんか?と質問したところ、家具を削ってまっすぐに立つようにすると答えたそうです。
日本では住宅にミリ単位の精度を求めます。新築の家を買うのだから、それは当然だろうと思います。
しかし無垢の木材を使った床にちょっとした傾きが出ただけで、これは欠陥だとおっしゃる方もありますが、それは間違いと言わざるを得ません。
無垢の木材なら当然経年の間にしなったりちじんだりするもので、永遠に新築時のままと言うことはあり得ないからです。
家具を削ってまっすぐにして生活しろとは言いませんが、自分で工夫できることはあると思います。特に日本の人は家を建てたらあとは何もしない人が多いので、通常のメンテナンスもされないまま何年も放置されることになり、劣化が進行します。
これでは傾きが出たり、雨漏れするのは当然です。
アメリカに見習えとは言いませんが、ご自身の住宅を大切にすれば、もう少し価値が残る家になると思います。