7月28日のこのブログで、新築中の住宅の柱に節があったことに親御さんがクレームをつけたという話を書きました。昔ながらの家づくりを見てきた親御さんにすれば、ヒノキの柱に節があるなんて考えられないといったところでしょうか。
この現場を請け負った工務店の担当者に聞いたのですが、仕様打ち合わせのときに、柱はヒノキでグレードは特一等・一等材だと説明しており、親御さんも同席しており納得していたとのことでした。確かに設計図面にも、そのように書いてあります。
しかしいくら田舎の親御さんで多少は建築のことを知っていると言っても、「ヒノキの特一等」がどのようなものか、ご存じなかったのではないかと思います。
木材にもJAS規格があって、その基準に応じた表示をしなければならないことになっています。
例えば国産材の針葉樹(ヒノキ等)なら、次の4段階になります。
一等材(大き目の節が多数ある)
小節(直系25ミリ以下の節が少しある)
上小節(直系10ミリ以下の節が少しある)
無地(節がない)
そして角切り(木材の角の切り方)にも基準があります。
一等・バタ角(丸みがある切り方。建築資材には使いません)
一等上・特一等(多少の丸みがあったり、割れがある)
特等(四隅ともしっかり角になっている)
おわかりでしょうか?親御さんに説明したのは「特一等・一等材」なので、大きめの節があって、多少の丸みがあったり割れがあるヒノキを使うよと説明したわけです。
おそらく親御さんは「特別に良い一等級の木材を使うのか」と思われたのではないかと思います。一般の方にはわかりませんよね。
今回は多少なりとも木材に興味を持っている親御さんが見つけたので話題になったのだと思いますが、お若い方なら木材のグレードに興味がある方は少ないでしょうから、話題にもならなかったと思います。
しかし木材は住宅建築のコストの中では比較的大きな部分を占めるので、仮に売主業者や工務店がコストを下げようと思えば、こういうところでも下げることができます。
是非ご自身の建てられる住宅の木材にも興味を持っていただきたいと思います。
※追伸
人によっては、等級のほかに木材の産地にこだわられる方もいらっしゃいます。
やはりヒノキは東農地方の、特に私の実家がある八百津町のヒノキがいいんでないかい。