住宅の新築で見えない柱が大問題に

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住宅の新築で見えない柱が大問題に

注文で住宅を新築する場合、施主(工事発注者)の興味は間取りづくりやキッチン・浴室などの住設選び、内装材選びなどに集中するようです。

これらは新築中も完成後も目で見える部分なので、間違っていれば容易に交換することができ、何か問題あったとしてもそう大事にならないで解決できます。

ところがこんなケースはどうでしょうか?

いよいよ上棟の日(建物が建ち上がり屋根材が葺かれる日)、朝から家族全員で工事の様子を見ていたところ、両親が突然「この柱は何だ!」と言い出しました。

「こんなに節だらけのヒノキの柱があるか!」

どうも両親としては、子供からはヒノキの家と聞いていたので無節の美しい柱が立つものと思っていたら、節が多いので驚いたようなのです。「こんな安い材料を使うなんて、いい加減な工務店だ!」と言いたいようです。

ひと昔前の家づくりは、大工さんが現場に運ばれてきた木材をノコギリやカンナで使って柱を作っていたので、加工する過程を見ることができ安心でした。

今はほとんどの木材がプレカット工場で成形され、上棟日当日に現場に運ばれて来るので、施主は納品されるヒノキがどのようなものなのか当日までわからないのです。

工務店としては施主と打ち合わせして決めた木材で、勝手に発注していないとのこと。仕上表を拝見したところ、この工務店はきちんとした工務店で内容が詳しく書いてあり、納品された木材に間違いはありませんでした。

近年の施主さんは、柱や梁がどのような材料なのかわからないまま契約している人も多いと思います。例えば昔はヒノキなら岐阜県東農地方のヒノキで、東農と言っても八百津町の久田見の山のヒノキが一番良く、さらに言うなら山の北斜面に生えたヒノキが一番だなどとこだわる人がいました。(八百津町は私の出身地で東農ヒノキの産地として有名なので、少々公平性に欠ける文章です)

またヒノキ柱でも4面のうち、何面に節が出ているかで値段も違います。もちろん4面とも節がない無節が一番高い。

ご両親の時代は4面無節がヒノキの家と言われていたのかも知れませんが、必ずしもそうではありません。見えない部分でも当然のことながら価格が変わるので、4面無節が希望ならリクエストをして、予算を上げていただければ実現できます。

プレカットの普及にはいろいろなメリットがありますが、施主さんに木材の知識がなくなってきたこと、製材の過程が見えなくなったことはデメリットと言えるかも知れません。

これから家づくりをされる方は、少しで結構ですので木材にも注意していただくと良いと思います。

※2020年8月号の『建築知識』は「現場がスッキリわかるプレカット最強の教科書」特集です。これを読みながら、ふと思ったことでした。