断熱性に優れた住宅を希望する方が増えているようで、いろいろな相談を受けます。
断熱性は実際のところご自身が住んでみて、暖かいなとか涼しいなを思えることが重要なのですが、新築前にそれを確認することはできないので、止むを得ず数値で確認するしかないのです。
そこで参考にするのがC値とUA値ですが、先日C値についてご相談があったのでお話しします。
C値とは相当隙間面積といって、その建物にどの程度の隙間があるかを数値で示すもので、数値が小さいほど優れていることになります。断熱性能を高めるためには気密性を高める必要があるという考えから注目される数値です。
このC値は実際の建物が上棟した後に内装工事に入る前あたりで、専用の機器を使って気密測定をして出します。ほとんど場合、建築会社が専門業者に外注して行うもので10万円程度の費用がかかります。
したがって正確な数値は現地で測ってみないとわからないのです。
建築会社の中には全棟気密測定をしている会社がありますが、そのくらい実績があれば「弊社の住宅はC値0.5以下になります。」と自信をもってセールスすることができますが、たまに測定している程度ではやってみないとわからないというのが実情で、数値を確約することはできないと思います。
先日のご相談は鉄骨系の大手ハウスメーカーの営業マンに「C値は大丈夫ですか?」とお客様が質問したところ、「弊社の建物は工場で計測して間違いのない部材だけを出荷しているので問題ありません。」と答えたとのこと。
この回答は明らかな間違いです。C値は現場で計測するもので工場では計測できません。おそらく若い営業マンが不勉強で答えてしまったものと思われます。
そしてこのハウスメーカーは気密測定はほとんどやったことがないと思われます。
仮に計測したとしても経験がないだけに、どのくらいの数値が出るかはわからないはずで、契約前に「0.5以下にします。」などとは絶対に約束できないはずです
お客様としては「断熱性に優れた住宅」を期待されているだけに、このままだとお客様が費用を負担して気密測定をやったとしても困った結果になるような気がするのです。
教訓1
C値は現場での気密測定でしかわからない。
教訓2
豊富な気密測定の実績がない建築会社のC値は、良い数値が出ないことがあるので気を付けてください。