ご実家が東北地方の300区画以上の分譲地にあるという方から、興味深い話を聞きました。
その分譲地はすでに販売後30年以上経過しているそうです。分譲当時は半分が大手ハウスメーカー複数社の住宅、残り半分が地元工務店や大工さんが建てた住宅と明確に区割りされた分譲地だったそうです。
それが最近では大手ハウスメーカーの区画で中古住宅が売りに出ると、すぐに買い手が付くのに対して、地元工務店の区画の物件はなかなか売れないそうです。
やはりブランドですかねぇ?とおしゃっていました。
ブランドもそうだと思いますが、それだけではないと思います。現地を見ていないので何とも言えませんが、ハウスメーカーで分譲地の開発を担当していた者として推測すると・・・
1.外構工事までしっかり計画されているので街並みとして美しい。
私も大手ハウスメーカーの連携体で分譲地を販売したことがありますが、分譲前に各社で協定を結び、外構工事にある程度統一性を持たせるように最低限の取り決めをします。
最近は外構工事にこだわる人が減っていますが、住宅本体ではなく外構工事の出来不出来によって住宅の品格が良くもなり悪くもなります。こういった点まで配慮するのは大手ハウスメーカーの良い点かと思います。
特に植栽計画は当初はそうでもありませんが、ある程度枝ぶりが良くなってくると景観に圧倒的な差が生じます。
2.メンテナンスの差
大手ハウスメーカーはアフターサービス基準が比較的しっかりしており、新築後の面倒見も良いので、定期的に点検し、特に外周の手入れは一番目につくところで劣化が見られれば補修をしませんかと営業してきます。
細かな劣化でも長年積み上げると、見た目で歴然と差が出ます。
その点地元工務店は経営者が亡くなったり後継者がなくて廃業するなど、長期間にわたるメンテナンスが行き届かないことがあります。この点は地元工務店の課題だと思います。
またお住まいの人によっても一所懸命メンテナンスする人とそうでない人で差が出ます。
以上2点が思い浮かびますが、他にもあるかも知れません。
いずれにしても日本の住宅は築後25年もすれば価値がゼロになると言われていますが、住宅の資産価値は上のような点に配慮すれば、30年以上経過してもゼロにはならないというお手本のような話です。
今回はあくまで住宅本体(建物)の資産価値の話であって、土地の話ではありません。同じ土地にあっても価値が残る住宅とそうでない住宅があるという話です。
これから住宅を新築しようとお考えの方は、入居後の参考になさってください。