不動産売買契約を締結した後、引き渡しまでの間に住宅の設備、例えば給湯器などが壊れてしまったらどうなるのでしょうか?
原則、給湯器などの設備は不動産ではないので売買対象には含まれませんが、それでは住むための最低限の要件を満たさなくなってしまうので、「付帯物」という扱いで不動産本体に付いているものとして扱います。
そのため売買契約書に添付する「付帯物表」の中に、給湯器が付いているかどうかを確認した上で、それが利用できるかどうかまで確認しておきます。
したがって契約時点で使用できた給湯器が、引き渡し時点で使用できないわけですから、当然何かしらの対応をしなければならなくなります。
一般的に不動産売買契約書の条文には「危険負担」を扱った文章があるはずです。危険負担とは契約後、引き渡しまでの間に天災地変などで住宅が損壊したり倒壊してしまった場合、どのように処理するかを定めたものです。
以下はある契約書の危険負担の条文です。
(引渡し前の滅失・毀損)
第○条 本物件の引渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれの責にも帰すことのできない事由によって、本物件が滅失し売主がこれを引き渡すことができなくなったときは、買主は売買代金の支払いを拒むことができ、売主又は買主はこの契約を解除することができる。
2 本物件の引渡し前に、前項の事由によって本物件が損傷したときは、売主は、本物件を修補して買主に引渡すものとする。この場合、売主の誠実な修復行為によって引渡日を超えても、買主は、売主に対し、その引渡し延期について異議を述べることはできない。
3 売主は、前項の修補が著しく困難なとき、又は過大な費用を要するときは、この契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の損傷により契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができる。
4 第1項又は前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。
これは不動産本体に関わる取り決めですが、付帯物表に書かれた設備にも適用できると思います。