前回に続いて「高品質なのにざんねんな住宅」についてお話しします。
弊社住宅相談センターは、既存住宅売買瑕疵保険(中古住宅を購入した後に発生する雨漏れなどのトラブルを保険金で補修できる保険)の検査事業者ですので、売主様、買主様、場合によっては仲介業者様からのご依頼で既存住宅の検査をします。
検査に適合するとこの保険を利用することができますが、建物本体は高品質なのに残念ながら不適合となる住宅が多いのです。
前回は違法な改修工事をしている例をご紹介しましたが、今回はメンテンナンス不足です。
先日も新築後28年の住宅を検査してきましたが、構造躯体は大変しっかりしており良い住宅でした。
しかし屋根瓦に苔が生えて表面が劣化して変色しているのです。雨漏れなどは見つからなかったので「適合」で良いと思うのですが、検査マニュアルでは瓦の表面の劣化は「不適合」なのです。
外壁は過去に一度塗り替えているので良好な状態だと一目でわかりますが、屋根は見るからに厳しい。
屋根材の耐久年数は長いもので50年程度まであると思いますが、何もしないで放置して良いということではありません。
ちなみに長期優良住宅の場合、維持保全計画書を市町村長に提出することになっていますが、計画書のモデル書式によると、屋根材は20年に一度全面的に葺き替えることとなっています。(定期診断をして劣化等が見られなければ延期しても良い)
20年に一度の葺き替えは大変だと思いますが、そうならないようにメンテナンスをしておくことは必要だと思います。
せっかく建物本体は良好なのですから、是非適切なメンテナンスをしていただきたいと思います。残念。