新築住宅だけでなく中古(既存)住宅のホームインスペクション(住宅診断)もたくさんご依頼をいただきます。中古ですから新築後10年とか20年とか、最も古いもので築130年超という住宅も拝見したことがあります。
中古住宅を拝見することは大変勉強になります。
なぜなら新築時には工務店・ハウスメーカー自社の優れた性能をアピールしますが、その家の性能は中古になった住宅をホームインスペクションしないと本当のところはわかりません。
多くの中古住宅を拝見すると、築30年を過ぎており不動産業者さんの査定価格は建物価格0円という住宅でも、素晴らしい状態で維持されており0円どころか500万円でもおかしくないという住宅もあります。
このような高品質な中古住宅はお買い得だと思います。
一方で大変素晴らしい住宅なのに、あ~ぁ残念と思う住宅も多く見られます。
それは新築後にご自身でリフォームされ違法建築状態になってしまっている住宅です。
多く見られるのは、2階の天井裏に収納や部屋を作っているケースです。
新築時の検査が終わった後に、ご自身で天井に穴を開けて小屋裏を収納にする場合は、建築基準法ではその部分の天井高は1.4m以下で、2階の延べ床面積の2分の1未満でないといけないと定めています。
単に天井に穴を開けているので1.4m以上の高さになっており、小屋裏全体が収納どころか部屋になっているケースもあります。こうなるとこれは3階建て扱いになり、別の法規制の対象になります。
お住まいになっているご本人は満足されていますが、これを売ろうとした場合、特に弊社住宅相談センターに依頼があるのは「既存住宅売買瑕疵保険」が利用できる住宅かどうかの検査が多いので、このような状態を発見した時点で「保険適用外」と判定することになります。残念。
実はここのところ同様の問題で保険適用外になる住宅が多かったので書いたものです。
建物本体は大変良好に維持されていますが、法令違反は残念ながらお勧めすることはできないのです。残念。