前回はマイホーム購入時に必要になる諸費用について書きました。
例えば4000万円の新築建売住宅ならざっと160~200万円、これが中古住宅なら280~320万円ほどかかります。
これだけ高額になると何とかして少しでも節約できないかと考えたくなるのもわかりますし、実際に工夫次第で節約することもできます。ただ多くの方はマイホームを購入するのは初めてで一生に一回のことなので、諸費用も言われれば、その額だと信じて支払っていらっしゃる方がほとんどだと思います。
一方で世間で言われている諸費用節約術の中には間違っているものもあります。今回はその事例をお話しします。
前回書いたとおり、新築・中古共通の諸費用で最も高額になるのが、住宅ローンを利用する際の保証料です。
保証料は保証人の代わりに保証会社が債務者(住宅ローンの借り手)を保証するために必要な料金です。4000万円を35年返済で借りると約80万円になります。この額を一括で支払うのはなかなか厳しいですよね。
そこで最近は保証料を金利に上乗せして、毎月の返済と一緒に払う方法が増えてきました。多くの不動産会社やハウスメーカーが出している資金計画書では、多くがこの保証料金利上乗せタイプになっています。
80万円がないので、諸費用の総額が少なく感じます。
ところがこの金利上乗せタイプ、そうおいしい話ではありません。例えば4000万円、35年返済で言うと、最後までまじめに返済したとすると保証料の合計額は約140万円にもなってしまうのです。(保証料率0.2%の場合)
一括支払いと比較すると1.75倍もします。これはダメでしょう。
こう言うと営業マンは「住宅ローンを最後まで払う人はいませんよ。途中で繰り上げ返済すれば、住宅ローンの返済が短くなったりなくなるので、その分保証料を払わなくて済みます。」と言います。
繰り上げ返済はできる人とできない人がはっきりと分かれますが、それは住宅を購入した後の家計のシミュレーションをしない限りわかりません。多くの人はいつか繰り上げ返済しようとお考えかと思いますが、家計のシミュレーションを作っている立場からすると、繰り上げ返済できる人は半数程度しかいらっしゃいません。
となれば、多くの方は保証料金利上乗せで、一括支払いの方の1.75倍ものお金を払うことになるということです。
保証料金利上乗せタイプを利用される方は、しっかりシミュレーションしてから利用されることをお勧めします。