先月あったご相談です。
「自宅を売り出したところ、あっと言う間に購入希望者が2組も現れた。大変結構なことだが、もしかしたら売り出し価格が安すぎたのではないか?できれば2組とも断って、価格を上げて再度売り出したい。」というものです。
自宅に限らず不動産の売却は見えない買主を探してマッチングする仕事で、成約する価格は実際に成約するまでわかりません。
そうは言っても無謀な価格設定をするわけにもいかないので、仲介業者は適切な売り出し価格について、プロとして助言しなければならないとされています。
ただしデータが不足していたり、その業者の能力によって査定価格には幅で出てしまうのも事実です。
この物件がどうであったかは別として、売主としてこのような気持ちになることはわからないではありません。
ただこのようなことを言うと古いなと言われるかもしれませんが、不動産取引は縁のもので結果を見ないとわからないのも事実です。
私の経験では売り出してすぐに来た買主が満額で購入したいと言ったので、価格が安すぎたと考え、値上げして再度売り出したところ半年以上も買い手が現れなかったという事例も数多くあります。
現在の不動産市場は、新型コロナウイス感染の影響でどちらかというと弱含みと考えられるので、値上げするより満額で購入する買主があるのなら、ただちに契約するべきではないかと思いますが、結果はわかりません。
なお不動産の売却には売主の事情が大きく反映されるので、仮にこの売主が売れなくても困らないような人なら、値上げするのも選択肢の一つかと思います。
※明日は売主が陥りやすいもう一つの罠について書きます。