新築建売住宅を購入すると引き渡しの前に買主の内覧と最終チェックがあります。そこで出た補修工事がすべて終わった後に引き渡しとなります。
通常内覧会で買主が重点的にチェックするのは汚れやキズで、それらは余程のことがない限り簡単な補修工事で直すことができます。
ただ最近は住宅に対して精密機械と同程度の精度を求める買主が増えているようで、何度直しても了解してくれないと工事業者から泣きが入ることもあります。
弊社住宅相談センターは、基本的には買主側に立ったアドバイスをしていますが、このような要求があった場合は公平な立場で買主に対して、その要求は行き過ぎですよとアドバイスすることもあります。
住宅の汚れやキズは来客に対して良い印象を与えないということもあるし、買主自身が納得できないということもあるでしょう。こだわってチェックすることは否定しません。
ただ内覧会のチェックポイントのより重要な点は、一般の買主が見ない箇所にあります。
例えば床下の配管(ガス・水道・排水)や小屋裏の断熱材や小屋組みなどは、床下や小屋裏に進入してみないとわからない箇所で、一般の買主でそこまでする人はいないでしょう。
仮にいたとしても、建築の専門的な観点からチェックできるでしょうか?
最近の建売住宅の施工精度はここ10年で相当向上しています。昔はパワービルダーと言われるローコスト住宅を大量販売する業者の住宅は、とんでもないものが多かったのですが、最近はそうした住宅も見える部分ではほとんど指摘が出ないレベルになっています。
しかしそのような素晴らしい住宅でも床下や小屋裏を見ると、いろいろ指摘しなければならない箇所が出てきます。
汚れやキズはチェックしていただくとして、さらに床下や小屋裏にも配慮してほしいと思います。実際にお住まいになった後に支障が出るのは、そうした箇所が原因になっていることが多いからです。
美しいだけが住宅ではありません。