変動金利型住宅ローンは金利が変動するので家計にとって危険であると言われています。ではどれほど危険なのでしょうか?私の経験をお話しします。(以前にも書きましたが)
私は1987年に東京でマンションを初めて買いました。当時の銀行は変動金利型住宅ローンしか扱っていなかったので、何もわからずそれを借りました。
時おりしもバブル経済に突入。当初変動金利5.2%(今では信じられないと思いますが)で借りたのですが、ある日半年ごとに銀行から送られてくる償還予定表を見てビックリ。毎月返済しているにもかかわらず、借入残高が増えていくではありませんか。
おかしいと思って銀行に電話したところ、「それは未払い利息が貯まっているからです。」とのこと。そのときはじめて未払い利息という言葉を知りました。
表を見るとその時点の金利は7.5%になっていました。
つまり私の毎月の返済額では利息も払えないどころか、払えない利息が残ってしまい、それが残高に足されていたのです。変動金利はおそろしいのです。
しかし変動金利型には5年間は返済額は変わらないというルールがあるので、私の毎月の返済額は何も変わらりません。家計に何の問題はありませんでした。
変動金利型のもう一つのルール、6年目に入るときに次の5年間の返済額を改定するというものがありますが、私は転勤で東京に住まなくなったので、改定の前にマンションを売ってしまいました。結果購入した価格の3倍の値段で売れました。
住宅ローンの残高は増えていましたが、売った値段を考えると儲かってしまったということです。景気が良くなると金利も上昇しますが、そのときはマンション価格も上昇しており、その恩恵を受けられたことになります。
では仮にそのままマンションを保有していたらどうなったでしょうか?
ご承知の通りバブル経済は崩壊。金利は現在まで続く低金利時代に突入しました。
当然変動金利も低下して、増えていた残高も今度は逆に急減したはずです。当初の返済期間20年より早く完済できたと考えられます。
ということで変動金利型は金利が上昇するから危険だというのは、完全に正しい説明ではないことがおわかりいただけると思います。
それでもまだ心配という方には、こう申し上げています。
変動金利型は金融機関から半年に一回、必ず償還予定表が送られてきます。そこには金利が書かれているので、それだけ見ておいてください。その金利が上がっているようでしたら、弊社にお電話をください。固定金利型に借り換えるなどのアドバイスができると思います。
それも面倒だという方は固定金利型住宅ローンを借りていただければよい訳です。前回書いたように、世の中毎日金利を気にして生きている人ばかりではないので、経済状況など気にしないで生活したいという方は固定金利型で良いと思います。