今まで弊社住宅相談センターに寄せられたご相談をご紹介しています。
住宅を新築するとき、現場がきちんと施工しているかをチェックするホームインスペクション(住宅診断)をやっています。
現在の住宅の工事では、工事期間中検査機関が行う現場検査を受けなければならないことになっています。
建築基準法では中間検査と完了検査の2回、住宅瑕疵担保履行法による検査は基礎の鉄筋検査と中間検査、ほかに防水関係の検査などがオプションで用意されています。
これらは義務になっているので、建築業者はどちらかの検査機関にこの検査を依頼していますが、その費用は施主(注文者)が支払っています。
弊社がおこなっているのは、この義務となっている検査ではありません。まったく独自に行う検査で、施主さんからの依頼で行う第三者検査と言われるものです。
このような検査を依頼するとほとんどの場合建築業者は「うちは検査機関に依頼して検査してもらっているので、追加でお金を出して第三者検査を依頼するのは無駄ですよ。」と言います。
ある意味正しいのですが、それは検査機関の検査は完璧に機能していることが前提です。
では検査機関の検査は、第三者検査と比較して何が不足しているのでしょうか?
1.施主さんに検査会社の選択権がない。建築会社が普段付き合っている検査会社が実施します。その意味で検査機関は建築業者側に近いと言えます。
2.検査機関は建築されている膨大な住宅の検査をこなさなければなりません。年間何万棟も建っている愛知県などでは、1日に何棟も検査にいかなければなりません。
3.決められた項目しか検査しません。
以上の逆を考えると第三者検査のメリットがわかります。
1.施主さんが自分で選んだ検査会社が検査しますし、費用は施主さんが直接検査会社に支払うので、施主側に立った検査ができます。
2.依頼をいただいた分しか検査しないので1棟あたりの検査時間に余裕があります。(じっくり検査できる)
3.規定以外の細かな個所も指摘して補修してくれる。
たとえば一番最初に行く基礎配筋検査では、基礎の床に貼る防湿シートが破れていることが多いのですが、検査機関の検査では余程ひどくない限り破れの補修を指摘しません。
その点第三者検査は時間をしっかりとれるので、細かな個所も指摘することができます。
弊社の場合、できるだけ現場の方に負担をかけないように、検査機関の検査と同じ時刻に検査するにしています。検査機関の検査が終わった後に弊社が検査に入りますが、それでも多くの指摘事項が出ているのが現実です。
検査機関の検査がダメだと言っているのではありません。複数の目で見てチェックすることでより良い住宅ができるということを言っているのです。
したがって弊社のような第三者検査が入ることはお金の無駄ではなく、ダブルチェックできる良い機会と考えていただくとよいと思います。
「今まで検査して何もなかった、100点満点という現場はどのくらいありましたか?」とよく質問を受けますが、何百棟もの住宅を見てきましたが、正直2回しかありません。大手ハウスメーカーから地元の有力工務店まで、いろいろな現場を見てきましたが、指摘事項なしはほぼないと思っていただいて結構かと思います。
第三者検査は無駄なものではないということをご理解いただきたいと思います。