今まで弊社住宅相談センターに寄せられた家づくりに関するトラブルの事例をアトランダムに書いています。
建築物の設計は大変難しいものだとつくづく思います。3次元で完成する住宅を2次元の平面に描いて表現して、それを基に完成後の3次元の住宅を想像しなければいけないのです。
その困難を補うために矩計図(かなばかりず=家の断面を表現する図面)や展開図・パースなどが用意されますが、それも住宅すべてが表現されるものではありません。
したがって専門家である建築士と言っても、ときどき失敗があるのです。
クロゼットのドアを開けたら、エアコンに当たってか完全に開けられない。
玄関ドアを開けるとブラケットに当たってしまう。
トイレから出ようとすると洗面所から出てきた人に衝突する。
ドアが邪魔になってコンセントが使えない。
玄関ドアから入ったら直上に階段があって圧迫感がある。
このような失敗例は山ほどあります。
これらは住宅の構造や性能に影響する失敗ではありませんが、日常生活においては毎日気にしなければならないものですからストレスになります。
この失敗を無くすには、建築士と一緒に図面を一ヵ所一ヵ所チェックするしかないのですが、この作業は意外にされていません。この作業の際に立体的にチェックする必要があります。
先ほどの「クロゼットのドアを開けたらエアコンに当たる」などは、平面図だけ見ていてはわかりません。平面図上、ドアの脇にエアコンコンセントの記号が描かれていれば、それがどの高さに来ているのかを立体的に確認する必要があります。
結構神経を使う作業です。
あと工事が始まった後であれば、最後のチャンスとして上棟後(建物が組み建てられた後)の施主打ち合わせ(建ち上がった現場でのチェック)で確認できることもあります。このタイミングでもしっかり確認してください。
弊社住宅相談センターでは平面図上のチェックも行っています。一般の方が見逃しがちな箇所を確認しています。