ここからしばらくは、今まで弊社住宅相談センターに寄せられた住宅・不動産に関する相談の中から、みなさまのお役に立つのではないかと思われる事例をご紹介していきます。
今回は自宅の売却に伴う「居住用財産の3000万円の特別控除」についてです。
自宅(居住用財産)を売却した場合で一定要件に該当すれば、譲渡所得(売却価格-譲渡経費-取得価格=儲け)から3000万円を控除することができ、残りの部分だけに税金がかかるという特例があります。
この特例は多くの人が所有している自宅に関するもので、金額としては大変大きいので税務署としてはサラリーマンでも調査対象にし易い特例です。したがって要件を完備していることを確認してから売却する必要があります。
この特例を使う場合、特に配慮してほしい点を挙げます。
1.居住用財産の売却であること。
当然のように聞こえますが、売却するのは居住用財産でないといけません。単に住民票が置いてあるだけとか、仮に住んだだけの住宅は居住用財産と見なされません。
不動産会社はときどき「住民票が置いてあれば大丈夫。」と説明していますがダメです。
ではどのくらい住んでいれば良いのでしょうか?
実は居住期間に規定はありません。確かに居住用として住んでいれば良いとされています。裏を返せば、他に居住用と見なされる住宅がなければ良いのです。
私の経験では一週間しか居住しなかったにもかかわらず、適用を受けたお客様がいらっしゃいました。このあたりは税務署が最も気にするところですから十分注意してください。
2.売却先
この特例は売却先(買主)に注意が必要です。売却先が6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族や関連する法人である場合は適用できません。
つまり親や親戚などに購入してもらう場合は適用されません。
なお「居住用財産の3000万円の特例」に似たものに「空き家の譲渡所得の3000万円の特例」があります。相続によって取得した空き家を売却する場合も、一定要件に該当すれば同様に3000万円の控除が受けられます。
この場合も売却先は同様です。
弊社住宅相談センターでは住宅の購入・新築だけでなく、売却時の相談も受けています。売却の意思が決ったら、何なりとご相談ください。