新築マンションだけでなく既存(中古)マンション購入時でも、長期修繕計画書は個人的には最も重要な書類だと思いますので必ずチェックしてほしいと思います。
メンテナンスフリーのマンションは世の中に存在しません。完成後は定期的に修繕をし、大抵の場合11~13年毎に大規模修繕工事をすることになります。この工事費用に充てるのが修繕積立金です。
これは管理費とは違う勘定項目で、工事代金を賄えるように計画的に積み立てるものです。万一不足するようなことがあると、必要な工事ができなかったり、マンションの管理組合で借り入れをしたり、あるいは区分所有者から一時金を徴収することになります。
そのため近年では大規模修繕計画書を作成して、将来の修繕の内容や見込み費用を販売時に提示しているのです。
通常修繕積立金は5~10年毎に値上げされますが、その予定も明示してあります。積立金の値上げは直接家計に響くので、購入時には自分の部屋の負担がどう変化するのか調べることが必要です。
またよりしっかり読み込むとすると、予定されている工事内容や積立金の額が妥当かどうかまで調べることになります。
一般的に新築販売時には修繕積立金の額は少なめにしておき、一方で修繕積立基金を一括徴収するマンションが増えています。例えば修繕積立金は専有面積㎡あたり50円~100円で販売し、修繕積立基金を5000円/㎡徴収するなどというケースが多いようです。
上記の例で専有面積70㎡のマンションなら、分譲時の修繕積立金が3500円~7000円、基金が35万円などとなります。
しかし果たしてこれだけで将来の大規模修繕が賄えるのか?慎重に積立金残高を確認しなければなりません。
例えば駐車場の料金を修繕積立勘定に入れる管理組合では、駐車場を利用する人が減って空きが出れば、予定した金額が積み立てられなくなります。そんなところもチェックする必要があります。
ここまで簡単に書いてきましたが、2014年の国土交通省の調査によると分譲マンションの37%が積立金不足に状態にあるとされています。この部分はマンションの資産価値や家計を直撃することになるので、徹底的に読み込んでおく必要があります。
繰り返しますが長期修繕計画書は、十分読み込んでから契約に臨んでください。