新築マンションを購入する際の注意点をシリーズで書いています。
新築マンションの販売現場モデルルームへ行くとたくさんの資料(パンフレット)をもらうことになります。通常は概要編とプラン集の2冊になります。
概要編はそのマンションの立地やコンセプト、設備や仕様、セキュリティや耐震性などアピールしたい点が美しい写真や絵とともに描かれています。ビジュアル的にも楽しいので眺めるだけでも結構でしょう。
一方のプラン集は各専有部分(部屋)の間取図を中心に配置図や立面図などが描かれています。特に間取りは入居後にどこに家具をどう置くかなどを検討する際に使う人も多いと思います。
ここで注意していただきたいのは「縮尺」です。何度もお話していますが、新築マンションは大抵の場合「青田売り」で工事中、完成前に販売して契約するので現物を見て確認することができません。
家具の配置を考えるときは、このプラン集の間取図しか頼りになるものがありません。
しかしこのプラン集の縮尺をよく見ると「102分の1」とか「87分の1」など切りの悪い縮尺になっているのです。つまり通常の定規では測れないようになっているのです。
何故ならコンクリート造のマンションといえども建築中にぶれが出るのは当たり前で、完成物がパンフレットに表示されている寸法でできあがるとは限らないのです。
もしパンフレットを信用してミリ単位で家具を用意していた人がいたとすると、家具が入らない!と大問題に。
ということで多少なりともそれを防止するために(販売側のリスク回避のために)妙な縮尺にしてあるのです。
パンフレットの寸法を過信しないよう注意しましょう。
また部屋などの寸法(距離)は、「どこからどこまで3750㎜」などと表示されていますが、これは壁芯から壁芯の距離を書いたもので、壁の内側の有効寸法ではありません。この点にも注意して家具の配置を考える必要があります。