住宅を新築する際に用いる部品は1万点以上あると言われています。これを適切な箇所に適切に設置できるように各部品のメーカーにはマニュアルが用意されています。
大きな部品だけでなく、例えば釘など小さな部品にも施工マニュアルがあります。
特に構造用合板と言われる板状の部品は住宅の構造を支えるための部品で、これを適切に柱や床に打ち付けることで、所定の強度が確保されることになっています。
例えば合板の「外周部分は100㎜間隔で釘打ちし、中心部は200㎜間隔で打つ」などと指定されています。これを遵守することで計算上の強度が確保されるのです。
ところが釘打ち作業では何千本も打たないといけないので、正確に何㎜間隔で打つことなど正直守れなくなってきます。あるいは打つこと自体を失念してしまいます。このことによって住宅の計算上の強度は発揮されなくなるのです。
この工事の結果は地震が来なければわからないので、大抵の場合見過ごされることになります。
先日もほとんどの床が幅910㎜幅の合板でしたが、一部だけが990㎜幅になっている箇所がありました。この場合中心部は150㎜間隔で打つことになっていましたが、910㎜幅なら内側6本になるため、990㎜幅のところも惰性で6本で打っていました。990㎜なら内側7本に増やさないといけません。
このように特に在来木造工法では現場で大工さんがこの作業をすることになるので失念・勘違いが多くなりがちです。
本来これは監理建築士が注意すべきところですが、残念ながら監理建築士は現場に出てこないことが多いので見逃されるのです。
結果として弊社住宅相談センターなどの第三者検査によって防止するしかないのです。残念ながら現場作業には注意が必要です。