住宅診断・ホームインスペクションの注意点③凹凸の断熱材

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住宅診断・ホームインスペクションの注意点③凹凸の断熱材

弊社住宅相談センターで実際の住宅をホームインスペクションしている中から注意点をご紹介しています。引き続き断熱材グラスウールの話です。

断熱材グラスウールは袋(防湿シート)にくるまれたグラスウールを壁や天井に「隙間なく連続して敷き詰める」ことになっていますが、住宅には筋違いや換気口・コンセントボックスなどさまざまな凹凸が生じており、平らな面ばかりではありません。

それらの凹凸の部分にもフィットするように敷き詰めるのが原則です。

私が以前受講した国が定める施工方法の研修では、それらの凹凸に合わせてグラスウールをカッターで切断したうえで敷き込み、その上から防湿シートを被せて露出する面がないようにすることと教わりました。

しかしこれは研修で見ていても明らかに手間がかかっており、現場でこのように丁寧に施工している例は見かけることはほとんどありません。

単にグラスウールを押し込んで終わりというのが一般的だと思います。そうなると凹凸の回りに隙間が生じ、断熱欠損や結露が発生する可能性が高まります。

コンセントボックスなどは金属部分が多いので、水分が集中的に付着すると思います。これではなんのための断熱材かわかりません。

国の研修にあったような施工はできないのでしょうか?

これに対する職人や現場監督の言い訳は「そんな手間をかけている時間はないし、手間賃をもらっていない。」というものです。

それはおかしい。あなたはそう思うかも知れませんが、施主は工期内にきちんと施工され期待する性能が発揮されることを願って発注している訳で、手間賃の有無や
余分に時間がかかるということは関係ありません。

契約前に「手間賃をもらっていないから工期がないから基準の方法では施工しません。もししてほしいならその分の手間賃と工期をください。」と予め言ってくれれば良いのですが、それも聞いたことがありません。

では仮に手間賃を余分に払い工期に余裕があれば、国の定める施工方法で施工してくれるのでしょうか?

現場を見ている私の意見としては、おそらくそれでも今と同じ施工がなされるだけだと思います。なぜなら彼らは正しい施工方法を知らないと思われるからです。

百歩譲って知っていたとしても、今までそのような方法でやってこなかったので、やろうにもできないと思われます。

断熱材グラスウールは安価で使い易い部材ですが、このように現場の職人・監督の能力によって大きく施工状態が異なる部材だということを強くお伝えしたいと思います。

前回も書きましたが、今までホームインスペクションをしてグラスウールの施工が完璧であったのはわずか2現場に過ぎません。それが実態です。