前回に続いて断熱材グラスウールの「耳」について書きます。
耳は防湿シートの延長でついているもので、その部分を間柱や梁にタッカー(ホッチキスのようなもの)で留めるためのスペースとして設けられています。
グラスウールのメリットは部材そのものが軽いため、持ち運びに便利で職人さんの肉体的負担を軽減できることが挙げられます。
しかしそのような軽い部材とは言っても、壁に沿って縦に充填すれば当然引力の法則で下方向に重力がかかり、しっかり留めていなければ下がってしまい、天井と上部の断熱材に隙間ができてしまいます。こうなると何のための断熱材かわかりません。
グラスウールの断熱材は、しっかり充填した上で耳をタッカーで留めて重力で垂れ下がらないようにすること。これが基本ですが、なかなか難しいのが現実です。
ちなみにグラスウールの断熱材を使用してる現場を検査して、これは本当に良い施工だと言える現場は、今まで16年間で2軒だけです。それだけ施工が難しい部材だとお考えください。