住宅診断・ホームインスペクションの注意点①断熱材

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住宅診断・ホームインスペクションの注意点①断熱材

ここまで土地探しについて書いてきましたが、最近は住宅の建築に関する品質の低下が目立ってきたので、しばらく住宅診断=ホームインスペクションについて書いてみたいと思います。

一時それほどでもなかったのですが、ここにきて断熱材の施工の悪さが目立ってきました。これも人出不足の影響でしょうか?

住宅の断熱材として広く使用されているのはグラスウールというガラス繊維系の部材です。断熱材の中では安価で誰でも施工しやすいというのが売りです。

クッションのように軽く防湿シートにくるまれているので、持ち運びに便利で職人さんの肉体的負担が少ないというのも利点です。

このクッション状の断熱材は間柱と間柱の間などに押し込んで、隙間なく連続して設置することが施工の原則です。そのためにクッションの端に耳と言われるヒダがついており、そこを間柱などに伸ばしてタッカーで留めることになります。

この耳は防湿シートの端の部分にあたり、この部分が連続してつながることで防湿性が確保できるのです。

断熱材は熱を遮断するものですから、その部分で外気と内気の気温差が発生し、気温差が生じればそこに水分が発生するので、防湿シートでくるむことで湿気が断熱材に付着しないようにするわけです。

しかしこの柔らかな部材は、工事中にはしごが当たったり、他の部材を立てかけることで破れてしまうのです。

また壁に押し込んで設置する際に、カッターでカットして押し込む箇所もあるので、防湿シートから断熱材がはみ出してしまうのです。

これを放置したままボードを貼り壁紙を貼ってしまうと、将来結露を招き、さらに結露がひどくなってカビが発生しても気付くことなく、中には喘息になってしまう人もいるようです。

そこまでに至らなくても水分の重さでグラスウールが落下し、隙間ができることで断熱性が確保されなくなります。

弊社住宅相談センターでは建築後20年30年と経過した住宅の診断もやっていますので、そうした現場をいくつも見ています。

施工する職人さんや現場監督さんは、そうした理屈はわかっていると思いますが、工期に追われていたり、補修する手間賃をもらっていないという理由で補修をしないまま過ごしています。(現に先週の現場では「そんな困り細かい所までやる手間賃はもらっていないから」という言葉が返ってきました)

断熱性はただちに健康に被害が出るわけでもなく、住んでみて極端に暑いとか寒いという感触を持つものではないので、工事をする人たちは軽視していると思いますが、契約書上所定の断熱性を約束して請け負っている訳ですから、最低限の施工をしてもらわないと困ります。