前回土地の高低差に注意してくださいという話を書きました。土砂や雨水が隣地等に流れないように土留めや擁壁を造らなければならない場合、相当な費用が必要になります。
高さ1mを超えるような高低差の場合、宅地造成等規制法の制限を受けることがあり、擁壁の仕様を指定されたりするので高額の造成費が必要になることがあります。
現状すでに擁壁がある場合は、許可を得て立てた擁壁なのか、造成工事当時の書類で確認することになります。
書類がない場合は(行政庁によって指導内容が異なると思いますが)建築士判断によってその擁壁をそのまま利用して住宅を新築できるかどうかを決めます。「擁壁はやり直し」という判断が下った場合、当然相当額の造成工事代が必要になります。
このあたりは専門家による判断が必要ですが、一般の方ができる擁壁の見極め方には、以下のようなものがあります。現場で参考にしてください。
1.擁壁にクラック(ひび割れ)がないか?
2.擁壁に傾きがないか?
3.水抜きのための穴があるか?(擁壁を施工した場合、雨水や水の流れる道をせき止めてしまうため、水圧が擁壁にかかり最悪の場合、擁壁を破壊してしまうことがあります。そのために水が抜ける穴を擁壁に開けることになっています。)
4.雑草などが隙間から生えていないか?
5.エフロレッセンス(白華現象:コンクリートの成分が雨水等の水分で溶け、擁壁の表面に白く出ている現象)がないか?
以上のような点でしたら一般の方でもチェックできると思います。その後に専門家に調査してもらえば良いと思います。
弊社住宅相談センターの土地チェックシートには、これらの項目も明示しています。
高低差は宅地造成等規制法の他にもがけ条例など、さまざまな法令が関係してきますので慎重に確認してください。