私は以前「住宅ローンアドバイザー資格養成講座」の講師を拝命していまして、北海道から沖縄まで全国を講師として訪問する機会に恵まれました。

せっかく全国に行くので、各地の地元金融機関を多数訪問しました。その結果、各地域地域で住宅ローン市場が大きく異なることに驚いたのです。

明確に言えることは「名古屋圏は全国で最も住宅ローン金利が低い」ということです。この事実を知らないとネット銀行（本店はほとんど東京にあります）を使って満足してしまうのではないでしょうか。

なぜ名古屋圏は金利が低いのか？

その前に「名古屋圏」とはどのエリアを指すのかを明確にしておかなければなりません。名古屋市・北尾張・西三河・知多半島北部を含む東尾張を指します。したがって東三河は外れます。

１．歴史的に近世の時代から名古屋圏の人々は現金を重視する性質を持っており、借金を嫌う傾向がある。

２．東海銀行（現三菱ＵＦＪ銀行）という絶対的な銀行があったにもかかわわらず、相次ぐ合併によってその力が低下し、今は東海銀行が撤退した市場が他行の草刈り場となり競争が激化した。

３．隣接する岐阜県・三重県では人口減少や勤労者の愛知県への流出によって、将来の経営が描けなくなっており、そこに位置する地銀・信金が名古屋圏に進出して競争が激化した。

４．名古屋人気質として、定価でものを買うことを良しとしない。オマケしてくれたことを誇示する。

以上のような理由によって名古屋圏の住宅ローン金利は、全国より０．３～０．５％程度低くなっています。このような市場は全国どこにもありません。実際、私が持参した名古屋圏の住宅ローン金利一覧表を見た受講者から「何かの間違いではありませんか？」という質問が相次ぎました。

つまりネット銀行やメガバンクなど全国共通の条件で融資をしている金融機関は、名古屋圏においては決して有利ではないのです。

弊社では過去７年以上ネット銀行をご案内したことはないですし、メガバンクも年に２～３件ご案内する程度です。