固定金利期間選択型住宅ローンという商品があります。
借入当初の決められた期間は固定金利で、期間終了後はその段階で再度選択するか変動金利型に移行するという商品で、中でも10年固定金利期間選択型が最も人気があるようです。
例えば10年固定金利期間選択型の店頭金利(基準金利)が2.95%で、当初10年間の引下金利(サービス金利)が▲2.30%ですと、実行金利(適用金利)は0.65%となります。
このローン商品ですが、当初の固定金利期間が終了するとどうなるのでしょうか?
例えば10年終了時のその銀行の10年固定金利期間選択型の店頭金利が2.95%で10年前と変わらなかったとしたら、借りている人は次の10年間も同じ0.65%で借り続けられると考えると思います。
しかし実際は▲2.30%の引下金利は当初期間だけで、終了後の引下幅は▲1.50%と縮小されるので、次の10年間は1.45%で借りることになり、大幅な返済額のアップとなります。これは当初の契約書の中に明記されていますが、気づいていない人がほとんどです。
このように途中で返済額がアップすることを避けるために、当初引下ではなく全期間一定の引下をする全期間引下型が用意されています。
例えば店頭金利2.95%から全期間引下幅▲1.95%ですと実行金利は1.00%になります。(当初引下型は0.65%でした)
10年終了時の店頭金利が10年前と変わっていなければ、次の10年間も同じ1.00%で借りることができます。
この場合、3000万円を35年返済で借りるとして比較すると、当初引下型では総返済額が約3,596万円なのに対して、全期間引下型では約3,557万円になります。
つまり借入時の金利は当初引下型が低いのですが、最終的には当初金利が高い全期間引下型が有利になるのです。
このあたりは借り手のライフプランに合わせてシミュレーションをしなと答えが出せないので、金利が安いと言うだけで当初引下型を選ばれる人がほとんどなので注意してほしいと思います。