「住宅相談センター」という商号で仕事をしていると住宅に関する様々なトラブル相談の電話がかかってきますが、残念ながら住宅相談センターはトラブルにならないためのアドバイスをしている会社であって、トラブル解決はできません。
そんなトラブル相談の中でも多いのが「住宅を新築しているが約束の期限までに完成しそうもない。アパートの家賃も払わないといけないし、親が仮住まいしている先の賃料やトランクルームの費用もかかる。何より心理的に落ち着かない。慰謝料や遅延阻害金を請求できるか?」というものです。
こうした問題はちゃんと工事請負契約書に書かれているので、よく読んでいただきたいと思います。契約書の条文は通常なら必要ないものですが、何か起こったときのためにその処理方法を取り決めたものです。しっかり読んで契約してほしいと思います。
例えば全建総連の標準契約書を見てみると、第19条に遅延に関する取り決めがあります。
「契約期限内に工事の完成引き渡しが出来ないときは、遅延日数1日につき、請負代金の10,000分の4に相当する違約金を請求することができる。」
これに従えば例えば2500万円の住宅の場合で20日間遅れたとすると、1日当たりの違約金が2500万円×1万分の4=1万円なので20日間なら20万円になります。
これは家賃もトランクルーム代も心理的な問題もすべて含んだ金額です。多いとみるか少ないと見るか?いずれにしても20万円で解決しなければならないのです。
おそらく契約締結時にはこのことを理解されていないと思いますし、まさか自分がトラブルの当事者になると思っていないと思います。
しかし工事請負契約では様々なトラブルが起こり得ます。契約時にはきちんと目を通して理解した上で調印して下さい。