なぜホームインスペクションでは建築基準法を調べないのか?

住宅のこと相談して安心・安全・スムーズ

名古屋エリア随一の住宅相談専門の事務所
100%相談者のための家づくりをサポート

ご相談・お問合せ

【TEL受付】10:00~18:00 水曜休

  1. トップページ
  2. オフィシャルブログ
  3. なぜホームインスペクションでは建築基準法を調べないのか?

なぜホームインスペクションでは建築基準法を調べないのか?

国が出している『既存住宅インスペクション・ガイドライン』では、既存(中古)住宅のホームインスペクションをする際に建築基準法等の法令に適合しているかどうかは見なくても良いことになっています。

それでは意味がないではないかとおっしゃる方もあるかと思いますが、それには理由があります。

例えば昭和63年新築の住宅をインスペクションする場合、耐震性能は昭和56年6月1日以降の新耐震基準を満たしていますが、阪神淡路大震災を受けて改正された平成12年6月1日以降の現行の耐震基準は満たしていません。

そうなるとこの住宅は違法(既存不適格物件と言います)と判断することになるのでしょうか?

建築基準法や同施行令は毎年のように改正されているので、適法性を問うことになれば、ほとんどの住宅が違法(既存不適格物件)になってします。

耐震性は分かり易い例ですが、もっと細かな点の改正があった場合、昭和何年の基準法はこうであったが、平成元年はこう変わって、平成20年にはこうなった・・・とその住宅が新築された時点の基準法をすべて頭に入れておかないと判断できません。

そのような器用な人は世の中にはいないでしょう。

つまり新築住宅ならいざ知らず、既存住宅で建築基準法の適法性を調べるのは不可能なのです。(もちろん費用と時間をかければ可能ですが。)

既存住宅を購入しようとする人は、適法かどうかということより、どの程度リフォームすれば、どの程度住むことができるかの方に興味があるのであり、多少の不適格物件であっても購入意思は変わらないのです。

既存不適格でも住むことができるかどうか、最低限の基準で診断するのがホームインスペクションです。