新築建売住宅の完成検査に買主様と同行して建物の検査をするのですが、最近の建売住宅では見える範囲で何か大きな問題があることは余程ないといって良いと思います。せいぜいキズや汚れがある程度で、この程度なら引き渡しまでに補修することができます。
これが床下や小屋裏など一般の買主様が見られない箇所になると、いろいろ補修をお願いしなければならない箇所が出てきます。この辺りは調査の専門家が見ないとわからないでしょう。
ですが、これらも何とか補修することはできると思います。(場合によっては引き渡し日に間に合わないこともありますが)
しかし調査の専門家でも見ることができない箇所、例えば壁の中や基礎の中などはどうすれば良いでしょうか?
先日調査した新築建売住宅では、屋根や外壁の中を赤外線サーモグラフィという熱反応を計測する機械を使って調べたのですが、勾配屋根に極端な熱反応が見られたのです。つまりこの部分だけ室内側の温度が高いのです。
これは見えていないのであくまで推測でしかないのですが、断熱材が入っていないか入っていたとしても勾配屋根なのでずり落ちている可能性があります。
この推測を報告書として提出したところ、施工業者は非を認め、この部分の内側の壁をはがしてやり直しをしてくれました。大掛かりな工事なので引き渡しには間に合いませんでしたが、直していただけて良かったと思います。
このように人が見ることができない箇所に問題があることが多いので、いろいろな機器を使えるだけ使って調査することが必要になります。
住宅調査の専門家=ホームインスペクターに調査を依頼するときは、どれほどの機器を保有しており、その機器がどれほどの性能なのか、こうした点を確認して選ぶことも一つだと思います。