住宅取得の資金計画をしていると、「うちの場合、住宅ローンの繰り上げ返済はいつ、いくら位ならできるでしょうか?」というご質問をいただきます。
また住宅や不動産の営業マンはしばしば「大丈夫ですよ。住宅ローンは繰り上げ返済すれば早く終わりますよ。」と説明します。
このご質問に答えることは簡単ですが、住宅ローンを借り入れた後の家計のシミュレーション(キャッシュフロー表)を作成すれば一目瞭然です。信じられないかも知れませんが、何年後にいくらできますと明確な数字を出すことができます。
しかし一般に住宅・不動産の営業マンが「大丈夫。繰り上げ返済できますよ。」という場合、キャッシュフロー表に基づいて話している訳ではありませんから根拠はないと思った方が良いでしょう。
繰り上げ返済はキャッシュフロー表を作成して毎年の貯蓄残高を確認し、退職時に退職金をもらう年までのうち、貯蓄残高が最も低い年の額しかすることができません。
いくら貯蓄があるからと言って、それ以上の額を繰り上げ返済すると将来家計に貯蓄が残らない年が出てきてしまいます。これを「繰り上げ返済貧乏」言います。
一般にこのようなキャッシュフロー表を作成しないで繰り上げ返済を行う人が多いので、教育資金がショートしたりしてしまうのです。
この表を作成しないで「繰り上げ返済すれば良いですよ。」という営業マンがいたら、それはまったく根拠がないと考えた方が良いと思います。
住宅取得の資金計画では、必ずキャッシュフロー表を作りましょう。