大規模修繕工事の発注先業者を選定するために相見積もりは欠かせませんが、単に見積もり依頼をするだけでは出された見積書を比較することはできません。
見積書は大きく工事項目・仕様・単位・単価・数量によって金額が出されます。
見積もりをする業者によって、工事項目が異なったり、仕様=工事のやり方や使用する材料が異なったり、数量=工事の範囲や面積が異なったりします。(単価は値段ですので会社によって異なるのは当然。単位は㎡とか個で表現するので共通ですが、これも「長さ○m」と表現する会社と「部品○本」などと表現する会社があるので注意が必要です。)
例えば「鉄部塗装」という工事項目で〇〇万円という金額が出されたとき、他社と比較してそれを安いと判断するためには、仕様・数量が同じかどうかを確認しなければなりません。異なる土俵で見積もっていると高いか安いか比較できません。
したがって見積もりを依頼するためには、まず見積もり指示書を作成して共通の仕様・共通の数量(あとは工期など)を指定し、同じ土俵で見積書を作成してもらわないといけません。
この作業をしないで見積書を取ると、恣意的に発注先業社を選定するスキを与えることになります。
ちなみにこれは大規模修繕工事に限らず、一般の住宅の見積もりにも言えることです。