昨年４月に宅地建物取引業法が改正され既存（中古）住宅の売買に関して、仲介業者は建物状況調査（一定範囲の建物の調査）という制度があることを説明し、「やりたい。」という売り主または買主の意向があった場合、調査する会社をあっせんするかどうかも説明しなければならないことになりました。
それから１年、先日この調査をする人たちの勉強会を開催して実施状況を話し合ったのですが、これがほとんど実施されていないのです。
仲介業者としては仲介手数料の額が変わらないのに手間が増え、さらに建物を調査して何かしら問題が発見されれば売りにくくなるだけで何のメリットもない訳で、積極的に調査を推奨するインセンティブがありません。
しかし買主からすると建物についてできる限り情報を得たいと思うのが当然でしょうし、売り主にしても引き渡してから何かしらの問題が発見され、買主との間にトラブルになることは避けたいでしょうから調査するメリットがないとは言えません。
結局のところ「買主側にもっとこういう制度があることを告知しなければいけないよね。」というところで終わってしまったのですが、正直建物調査をしている立場から言えば、「これだけ高価な買い物をきちんと調査しないで購入するとは恐ろしいことだ。」と思います。
これは既存住宅だけではなく新築の住宅・マンションでも同様です。
住宅・マンションを購入するときは、必ずホームインスペクション（住宅診断）をしてほしいと思います。
