昨日、工事請負契約を解除する際の違約金は消費者契約法で「平均的な損害の額以上は無効」となっていることを書きました。では「平均的な損害の額」とはいくらのことを言うのでしょうか?
ここはこれという定めはありません。実際に請負業者が被った損害額を算出して通常の損害と思わわれる額を言うのでしょう。
よくあるのは、しっかり設計図類を契約書に添付している状態での解除の相談です。
当然請け負った業者とすると建築士に設計業務を依頼して何種類もの図面を描いてもらった費用やそこまで商談をしてきた営業マンの費用は違約金として認めてもらいたいものです。
これらはすべて認められるとは言えませんが、一定以上は裁判所は認めてくれると思います。
しかし問題は建築士がその図面を描くのに、どの位の時間をかけてどの程度の能力を使ったのかを業者側が立証しなければならないのです。建築士はいちいちタイムキープしている訳ではありませんから、1時間でできたのか3時間かかったのか説明することはできません。
結局のところ「通常金額」は提示されませんので、何百万円、何千万円という違約金にはならないということになります。
それで安堵しないでください。せっかくの家づくりですから嫌な思いをしたくないと思います。契約する場合は、しっかりと中味を詰めて条文を読み、大きな変更や不明な箇所がない状態にしてから調印してください。