ホームインスペクション(住宅診断)の仕事をしていると、住宅に関するいろいろな相談がよ寄せられますが、難題の1つが結露の相談です。
新築後何年経過しても結露がなくならない。除湿器をおいても、常時換気扇を回しても収まらない。このような相談あると原因を特定することが大変難しいのです。
一般の方は断熱材を隙間なく充填し気密性を上げれば結露はないだろうとお考えかと思いますが、よくよく考えてみてください。昔の日本の家屋のように隙間だらけの家は結露しません。乱暴に言えば気密性を上げると結露は起こりやすくなるのです。
最近は断熱性能を重視するために気密性を上げようとしますが、結露は室内の水分が内外の温度差によって躯体やガラスに付着して発生するものですので、気密性があれば水分は室内に滞留することになり、そこに温度差が生じれば結露することになります。
したがって結露対策の一番は室内の水分を外に排出すことだと思いますので、換気の力が足りているか、力は確保されていても家具などで遮られて実力を発揮していないか。そのあたりも問題になるところです。
先日ご相談いただいた案件は鉄筋コンクリート造で第二種換気システムになっていましたが、第二種換気は結露になり易いということが言われているので(反論もあります)、そのあたりが原因ではないかと推測しています。
いずれにしても明確な回答が出しにくい問題です。
入居者の皆様はできるだけ直火のもの(石油ストーブやガスストーブ、ガスコンロなど)を使わないようにして、まめに換気していただくようご注意ください。