昨日は住宅の新築時の打ち合わせでは、必ず「お打ち合わせノート」を作成して約束したことを担当者との間で確認できるようにしておくことでトラブルの防止ができると書きました。
しかし住宅に関するトラブルはそれだけでは完全に防止できません。例えばこんなケース。
外壁材を何にするかの打ち合わせ時に、施主さんは「先日現場見学会で見たのと同じ外壁でお願いします。」とオーダーし、建築業者担当者も了解しました。
工事が始まって外壁材が貼られたとき、施主さんが「これは頼んだ外壁と違う。」と言い出しました。
打ち合わせた材料はガルバニウム鋼板のはずなので「何が違いますか?」と尋ねると、施主さんは「釘が見えている。」というのです。
ガルバニウム鋼板の外壁には確かに留め釘が見える施工方法と釘がまったく見えない方法があります。施主さんが「現場見学会で見た」と言っているのは釘が出ないタイプでしたし、実際に見学会の現場はそのタイプです。
つまり施主さんは「釘が出ないタイプのガルバニウムの外壁」と依頼したのに対して、担当者は単に「ガルバニウムの外壁」を依頼されたと思い込んだのです。
住宅の新築には1万点とも2万点ともいわれる部材を使います。これらすべてについて細かく打ち合わせるのは不可能なのでこのような事例は山ほどあります。
これを防止する妙案は思い浮かばないのですが、教訓としては「住宅新築時の打ち合わせはゆとりを持って時間をかけて行いましょう。」という程度でしょうか。
工期に追われたりしてゆとりない打ち合わせは避けることが必要です。